今の日本の司法制度と社会の風潮の中では、薬物依存症者は犯罪者として扱われ、留置、裁判を経て、受刑者として刑務所に送られて懲役に服す。モモも経験しています。
逮捕されて裁判を受け、刑事施設で過ごす期間…自分は犯罪者だという自覚を持たされます。裁判で「薬物依存症は病気である」という考え方は、裁判官、検察、弁護士、誰の頭の中にもありません。一度、精神科医に書いてもらった薬物依存症罹患の診断書を提出したことがありましたが、なんの効力もなく判例に沿った量刑の判決になりました。以前紹介した「ドラッグコート」にありましたが、日本の薬物裁判は再犯時に、前回の期間にほぼ決まった期間を追加して量刑を決めているので、AIにでもやらせればいいと皮肉って書かれていました。
ちなみにこの言葉を書いたのはドラックコートを知るために渡米した日本の現役の裁判官だったと思います。
刑務所では、詐欺師、窃盗犯、傷害や殺人未遂犯、性犯罪者の人たちと受刑生活をともにします。もちろん殺人で無期の人もいます。
そんな中で、自分は病気なんだと自覚できるはずはありません。せめてもの救いは、自分は他の人とは違い他人を傷つけたり欺いたりしてここにいるわけじゃないと思えるくらいです。
出所しても厳しい生活が待ち受けています。
薬物事犯の全部がそうではないですが、だいたいの人は仕事や家族を失っている状況にある場合が多いです。そんな中で再出発していく時、犯罪者のレッテルが重くて、自分は依存症に罹患していて今は進行が止まっているだけだから病気を治療していこうと自覚するのは困難なことだと思います。再出発した社会生活で治療につながることができないと、病気は再発して
再使用再犯の繰り返しになります。
依存症者が、薬物依存症を自覚するのは簡単なように思えますが、実際には難しいと思います。モモもそうだったからね…。
あ〜ヤバい長文になりすぎたよ。
今日はここらで終わりますぅ。
ある専門病院の先生が言ってましたが、
この病気は罹患しているのを自覚していても、
治したくないって思う人もいる。
それが薬物依存症なんだよね。