薬物依存症からの回復を目指す

モモちゃの言いっぱなし!

「本当の依存症の話しをしよう」②

覚醒剤が、昔ヒロポンという名で薬局に置かれていたのは薬物依存症のクライアントならほとんどの人が知っていると思います。

一般の人でもヒロポンという名を聞いたことのある人なら知ってるかな…。

覚醒剤も、一昔前は合法の時代があったんですよね。

 

「本当の依存症の話しをしよう」の中には、薬物を禁止する法律が社会にもたらす悪い影響が書かれています。

それは、アメリカのノーベル賞経済学者のミルトン・フリードマンが、以前あった禁酒法が失敗した経緯を教訓に予測したものです。

結果的には法律で違法薬物の撲滅は不可能だと言っていますが、その理由も上げています。

日本の覚醒剤取締法にも共通するところがあります。たとえば、「法律によって薬物は禁断の果実となり、感受性の強い人たちを誘惑するだろう」。

正しく覚醒剤はそんな存在になっている。

禁断の果実であるから、それを商品化して利益を得る人間がいる。

違法な物だから、それはブラックマーケットに流れます。反社会の資金源になるのは当たり前のことです。

しかも合法時に比べて、製造から末端の販売まで品質検査や品質管理もないのだから何が入っているかは正直わかりません。

量のかさ増しをするために動物用の興奮剤やカルキ抜き剤が入れられていたのは本当。

薬物依存症クライアントは、薬物の値段が高いから買わないという判断はしません。値が上がれば、その資金を入手するための方法として本当の犯罪を犯す可能性もあります。

違法とされている薬物を使用しているのだから、法律を厳守する意識も緩くなっているはずです。

本には、薬物関連の犯罪取り締まりのために警察力が奪われ、刑務所の収容人数や刑務所そのものの数が増えるとあります。

そしてさらに、薬物を入手するために反社と繋がりを持った薬物依存症クライアントは、犯罪者のレッテルを貼られて、差別や偏見で回復の道を閉ざされ、惨めな人生を強いることになるとあります。

 

覚醒剤取締法は昭和26年6月に公布。

法律の立案は、調べてみると医師で国会議員になった人だと思います。

法案成立の議事録はネットでも見れます。

読んでみると、禁止する根拠は善意から生まれた法律です。

 

しかしフリードマンさんは、こういった法律が、善意から生まれた欠陥だらけの「解決策」であると捉えています。

過渡な薬物使用は人の人生や命を破壊します。

しかし、適度な薬物使用は、その人の支えになったり、人生の充実感を感じされてくれるものでもあります。

公のネットやメディアでは「快楽」のみが強調されたり、ネガティブなことしか議論されていません。薬物依存症が病気であるとの認識を持ち始めている人たちも増えていますが、社会はまだまだタブー視しています。

著者のスチュアートさんは漫画の最後のコマでこう言っています。

「薬物を取り巻く問題のどれが薬物そのものから起こっているもので…

どれが、薬物が違法であることから起こっているものかを理解する必要があるのだ」

 

この本には、解説として、

松本俊彦医師の「薬物依存症は孤立の病」。

小原圭司医師の「ギャンブル依存症は回復できる」があります。

 

依存症の方も、そうでない方も、

ぜひ読んでみてくださいね!