薬物依存症からの回復を目指す

モモちゃの言いっぱなし!

脳を騙そう!

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おおたわ史絵さんの「プリズン・ドクター」という本を最近読みました。

おおたわさんは刑務所で働くお医者さんで、

刑務所で受刑者を診察する医師の仕事や、医師の目から見た刑務所の日常、受刑者の人となりが書かれていてとても面白かったです。

懲役経験のあるモモは失笑しながら読みました。

その本の最後の章に「笑う刑務所を作ろう」

というのがあります。

みんなで楽しく笑って刑務所生活をおくろう!

とかじゃないですよ。

おおたわ医師が刑務所での復帰支援教育に「笑いヨガ」を取り入れた経緯とその効果が書かれています。

復帰支援教育とは、出所間近の受刑者がシャバに出た時に困らないように世の中の状況を知り外に出て自立するための準備をする教育期間です。2週間くらいあります。

 

笑いが人体に与える影響は多岐にわたり、精神的にも身体的にも良いという国内外のデーターを基に考えられた発想です。

「笑いヨガ」、その名の通りこれはインドのお医者さんが考えた笑いの健康体操です。

 

面白いことをする必要はない、

ただ単純に笑えばいい。

楽しいから笑うんじゃない、

笑うから楽しくなるんだ。

幸せだから笑うんじゃない、

笑うから幸せになるんだ。

 

人間は自分の感情のコントロールは難しいといわれますが、動作によって感情が変わるという言葉ですよね⁈

違法薬物を使用すると、脳に快楽や幸せを感じさせる神経伝達物質を活性化させます。

しかしその神経伝達物質はもともと自分の体にあるもので生活している中で頻繁に活性化されています。

楽しい時や何かをやり遂げた時にはドーパミン、誰かとハグしたり猫を撫でたりするとオキシトシン、お日様を浴びたらセロトニンなど様々な物質が脳に気持ちいいを感じさせます。

その神経伝達物質は身体の動作だけでも活性化するそうです。

たとえば笑顔になる時は口角を上げますよね?

口角を上げるとセロトニンや多幸感を感じるエンドルフィンが活性化するそうですが、楽しくない時でも口角を上げると脳が楽しいと勘違いして同様の活性化があり楽しくなるそうです。

脳を騙して自分の感情をコントロールする。

そんなことだと思います。

 

それを利用して考えられたのが、

笑いの健康体操、笑いヨガです。

すごく簡単ですよ。笑いながら運動するだけ。

モモはドラマーだから、ドラムを叩く動作で

「ホッ・ホッ・ハハハ」

料理でもいいしラジオ体操もいいんじゃない⁈

おおたわ医師が刑務所の受刑者に行ったところ、よい効果があったと書かれていました。

 

いつだったか覚えてないですが、テレビで依存症問題をやっていて、覚醒剤使用の疑似体験ができるような注射器が紹介されていたのを見た記憶があります。

実際に薬物を使用するのではなく、薬物を使用する行為が再現できるオモチャの注射器です。

たぶん針はついてなかったと思うのですが、

シリンジを腕に押し当てて押子を引くと、赤インクが入ってくるような仕掛けになっていたと思います。

渇望したらそれを使って覚醒剤を打つ振りをする。何度も何度も繰り返しているうちに覚醒剤を使用しても気持ちよくないを脳が学習してやめられるというものでした。

依存症専門のお医者さんが考えて作ったものですが、手に入れたいと思いネットで検索などしたけどどこで入手できるのかわからなかったです。テレビで紹介されていたので使用していた人もいたと思いますが、それっきり話題にもならなかったので効果的ではなかったのかもしれません。これも脳を騙す行為ですが、たぶん脳を騙しきれなかったんだと思います。

想像するに、協力なトリガーになりえる道具にもなるもんね。

脳科学の本に人間が進化する過程で、脳は行き当たりばったりで作られたと書いてありました。適当に作られているみたいです。

脳に錯覚させたり脳を騙ししたりして自分の感情をコントロールする。

日常に少しでも変化をもたせる方法の一つだと思うよ。

やってみましょ〜笑いヨガ😉。

 

おおたわ医師のお母さんも薬物依存症を患っておられたようで薬物依存症の事も書かれています。依存症の人にもそうでない人にも是非読んでほしい本です。