薬物依存症からの回復を目指す

モモちゃの言いっぱなし!

刑務所模様

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最初の服役は、自分の居場所を見つけれるまではとても辛かったですが、居場所さえ確保できれば毎日はルーティンなので少し楽になります。人間関係の緊張感は常にありますが、独居にいたモモは工場だけだったので上手くやれてたと思う…。

と言うか、理不尽なこともあったけどシャバでは経験できない事でもあるので、それはそれで今はよしとしてる。三ヶ月くらいして落ち着いてからはずっと同じ工場で出所まで過ごすことができました。それも、ある人の助力もあったからだと思っています。

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背中に如来か菩薩かわからないけど、デカい刺青をした勇み肌な班長Tさん。強面で、他の受刑者にはもちろん、担当さんにも信頼されていた人でした。

密輸で10年の刑期を勤めて、モモよりも一年早く出所されたのですが、服役中はモモのアイデンティティを受け入れ、モモの人間性を信頼してくれていました。トラブルがあった時も味方になってくれたり、シャバ感の抜けないモモを戒めてくれる時もありました。ある受刑者とちょっとした誤解からトラブルになり、その部屋の全員から目をつけられてた時に「◯◯はそんな奴じゃない!」と庇ってくれた時は、本当の男気というものを感じました。

Tさんは最終面接を終えてほぼ仮釈が決まると

「俺がいなくなるのは寂しいか?」

と、言いました。

「寂しいです」

モモは素直に答えたと思います。

シャバには中学生になる娘さんがいるとの事。

若い頃はスポーツに秀で、プロへの道もあったようですが、身体を壊してその道を諦め、反社会的な道を歩むようになったと言っていました。施設内でも喧嘩して何度か懲罰を受けたようですが、道理を重んじる正義感のある人で、どこか純なところもあり、侠客を感じる人でした。今はどうしているのか…時々思い出します。

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刑務所には日本人だけじゃなく他の国の受刑者もいます。モモがいた工場には中国人とペルー人がいました。中国人はもの静かな若い人でしたが、罪状は強盗殺人で無期懲役。日本語も堪能で、まわりの受刑者には自分は無実だと言っていたそうですが、服役に甘んじてる姿を見てると本気で言っているのか冗談かはわかりませんでした。ただ、受刑者の中には無実だという言葉を信じてる人もいました。モモはあまり話すことはなかったですが、家族から毎月モモに差し入れされる本を羨ましそうに見ながらチェックしていたのを思い出します。

出所までまだ一年を残す頃、工場での隣りの席にペルー人のおじさんが配置されました。ずっと同じ工場にいたのですが、作業でミスが何度かあり工場内で配置転換されたようです。ペルー人ではなく日系ペルー人になると思うのですが、ずんぐりむっくりの体型に似合わず若い頃はボクシングをやられてたとのこと。罪状はたぶん傷害罪。三年は服役してたと思いますが、モモより先に出所されました。温厚で優しい人でとても暴力を振るうような人には思えない人でしたが、お酒が人を変えてしまうようです。本人はお酒は飲めない飲まない人でしたが、事件を起こした時ウイスキーボンボンを一つ食べてしまったそうです。その後暴れて通報され、駆けつけた警官に右ストレートを喰らわして逮捕。いくらお酒に弱くても、ウイスキーボンボン⁈しかも一粒…。その時は信じられないような話でしたが、アルコールに全く耐性がない人にはウイスキーボンボンでさえ酒乱の原因になるんですね。おじさんはシャバに30くらい年下の若い愛人が待っていて、出所したら結婚するとよく話していましたが、それだけは話し半分に聞いていました。

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国は刑法改正で、来年度2025年6月から懲役刑と禁錮刑を統合して新たに拘禁刑というものを施行するようですね。懲役作業は義務ではなくなるような感じですが、実際はわかりません。シャバで義務教育を受けられなかった人はそれを補い、就労支援にも力を入れ、薬物や性犯罪のプログラムを強化するようで、基本的には出所後の社会復帰がスムーズにできるように指導をしていき再犯率を減らすことが目的とされているようです。他にも官民協働のPFI刑務所なども作られて運営されているようですね。

アメリカの刑務所が民間の介入で再犯率を下げるのに成功しているのを取り入れているとは思いますが、モモは真似をするならそっくりそのままやればいいと思いました。何故なら、PFI刑務所は別にして、今の刑務所の日本的な縛りや教育、縦社会の慣習に慣れきった組織や刑務官たちがそれを実践できるとは思えないからです。今の刑務所は、更生することも回復することも非常に難しい環境だとモモは体験から実感しました。

「懲らしめ」から「立ち直り」

これを実現するなら社会が変わる必要があると思います。

変わるかな.変えていかないとネ!