薬物依存症からの回復を目指す

モモちゃの言いっぱなし!

家族

家族はどうしたらいいの?

誰にも相談出来ない…

あんなに優しかった人が急に怒りっぽくなった。

些細なことでいきなり怒りだす。

どうしたらいい?

外泊が多くなるし、だんだん痩せてくる。

見てられないよ…。

涙。

 

警察が来た!

怖いよ…。

また警察が来た!

連絡がつかない…。

どこにいるの?

私たちには何もできないの?

私たちが悪かったと思う…

待ってるからね。

大丈夫だよ、みんなで待ってるから。

今度も一緒に頑張ろうね

 

自分だけ気持ちいい思いしたいだけ?

家族と薬とどちらが大切?

きっと私たちが悪いんだよね?

貴方に辛い思いをさせてるんだよね?

だから薬を使うんだよね?

違うの?

じゃあ何?どうして?

 

このままじゃダメだよね…

ちゃんと食べないと…

私たちしかいないんだよ…

いつまで一緒にいれるかわからないんだよ。

涙、涙、涙。

また警察が来た!

もう終わりだよ。

 

つき離したほうがいいの?

離れ離れになればいい?

離れて生きていける?

涙、涙、涙、涙。

 

NAに行ってみる?

私たちも一緒に行ってあげる。

病院に行ってみよう

私たちが一緒に行くから。

予約を入れてみる?

 

本をたくさん読んだね

私たちも読んでみたいな

心配しないで大丈夫だよ

少しずつ進もうよ

でもほかの人たちはどうしてるのかな…

 

やっちゃったの?

大丈夫だよ。

またやったの?

せっかく一週間頑張ってたのに…。

やってるでしょ?目を見たらわかるよ…

大丈夫だけど、ご飯を食べてね。

大丈夫だよ、でもまた逮捕されちゃうよ

今やれることでいいよ

 

そんなに辛い?

死にたいくらい辛い?

たまには息抜きして

辛いんだね…イライラが止まらない?

だったら買ってきなよ

死なれるよりはいいから…

私たちにとって貴方は大切な人だもん

 

「一万円あればいいの?」

 

モモは、やめ続けることをスタートしました。

 

依存症クライアントの家族は共依存してしまうことがあります。アメリカの薬物依存症番組で、自分の息子にドラッグを購入するためのお金を渡している父親を見て、これが共依存だと思っていましたが、自分の家族に同じような傾向があり、これはヤバいと感じました。

それはモモ自身が依存症を自覚しているから感じれる気持ちですよね…。

その息子は家出して住む家もなく、スマホ片手に野宿しながら、ご飯もまともに食べずにヘロインを使用している薬物依存症クライアントでした。

日に日に痩せこけて、挙動が変わっていくのを見て、家族はなんとか薬物をやめさせたいと思ったと思いますが、覚醒剤とは違いヘロインには身体的な禁断症状があります。

苦しむ息子を見ていられなくてお金を与えたんだよね…。

 

こんな状況に陥った時、家族はどうしたらいいの?

モモの家族の場合は、薬物依存を依存症という病気だと今は理解してくれています。

理解するためにその専門書を読んだり、YouTubeなどの動画を見たり、モモの話しを聞いてくれています。

病気なら治療しなければならないけど、日本では逮捕→厳罰という現実があるので、理解はしつつも出来ればやめてほしい。

スリップしてないか心配する日々。

おおたわ史絵さんの「母を捨てるということ」

という本の中に、依存症の母のことを専門病院に相談に行くと、「まず貴女が入院しなさい」と、言われて、父親と一緒に入院したと書かれていました。おおたわさんは最初戸惑われたようですが、入院することで薬物依存症という病気を知り、苦しんでいる家族が他にもたくさんいることを知ったそうです。

本には、父親とともに共依存的な傾向があったと感じる内容がありました。

 

モモは薬物依存症クライアント当人です。

だから家族の気持ちを代弁してアドバイスをするなんて痴がましいことをするつもりはありません。ただ、家族が変わることで自分も治療に向き合えたこと、自分が変わることで家族も変わり始めたことを今実感しているので、記事にしたいと思いました。

モモの薬物依存症の問題はまだ何も解決していないし、回復に向けてスタートを切っただけです。あまり勢いよく走ると転ぶ(スリップ)かもしれないので、ゆっくり歩を踏み締めながら進むつもりです。ゴールはなく、転んだ場所が再スタートになる時も今まで何度もありました。最初はそのたびに修羅場を呈していましたが、それが話し合いになり、ルール作りになりと前向きになれたのは、家族の理解があったからだと思います。理解といっても、薬物使用を許すとかじゃないよ。

社会に蔓延する薬物に対する偏見を取っ払う努力を一緒にしてくれたことです。

依存症の治療は一人でなんとかなるものではないです。まわりの人のサポートが必要不可欠だと思います。

結論的に言うと、依存症クライアントと同じように依存症で困惑している家族や、専門医と繋がりを持ち、一緒に回復を目指すのが良いとは思いますが、突き離して関わらないことで依存症クライアントが自ら回復をしていく話しも聞いたことがあるので、クライアントと家族の関係によってはいろんなアプローチがあると思います。

家族が依存症を理解しているか、いないかで、依存症クライアントの回復に向かうための意識はずいぶん変わると思います。

 

専門病院の初診に家族と行った時、、家族に共依存の傾向があったので受診した旨を伝えると、そう思えたのはラッキーでした。

今回は上手くいったけど、その手は二度と使えないよと言われました…。

そして、冷たい言い方だけどそんな時はほっといた方がいいとも言われてました。

 

今は薬物のことも、スリップしそうになったことも話すようにしています。

なにより嘘をつかなくていいのはいいこと。

嘘と罰は依存症を進行させる要因だからね。

 

家族がいなくても今は自助グループや依存症を理解している人がいるので、そこにつながることができれば少しずつ見えるものが変わると思うよ。

最後に、おおたわ史絵さんの本を紹介します。

「母を捨てるということ」

依存症家族は、どうやって道を切り拓いたのか?とサブタイトルにあるので、依存症クライアントの家族の方にもおすすめです。

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