薬物依存症からの回復を目指す

モモちゃの言いっぱなし

麻薬と人間

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刑務所では本をよく読みましたが、今でも読書は続いています。1日のスケジュールはだいたい決まっていますが、午前中は本を読むことにしています。何か用事がないかぎりこれは続けています。起床時間は刑務所にいた頃と同じで、朝6時前には起床。最近は年のせいか5時くらいには目が覚めてしまうこともある。

朝食を食べてしばらく休んだらお掃除。これは週に二回、曜日も決めてます。終わったら読書の時間。天気が良い日は部屋が明るいので電気を消しますが、曇り空の時は電気をつけて、もちろんテレビは消して読書をします。

午前中だけ、午後になったら暇な時間があっても本を読むことはありません。読書するのもパワーがいることだと自分は思っているので、ダラダラ読むより決めた時間に集中して理解することが大事だと思っています。だから難解な本は何度も繰り返し読む。ドーキンスやハラリの本はなんども読み返しました。

そして、ここに掲載したヨハンハリの「麻薬と人間」100年の物語。二度読み返しました。

依存症の本は脳科学の本を含めたくさん読みましたが、この本は、自分にも薬物依存症について偏見を持っていることを自覚させる内容でした。

この本は、アメリカのJAZZ歌手ビリーホリデーを通して違法薬物の歴史や依存症者の苦悩、スティグマによる差別などか書かれています。

特に合法な医薬品が、どのように違法薬物になっていったかが書かれていて、取り締まりすることでブラックマーケットに流れていく様に陰謀があるかのように感じられました。

覚醒剤取締法は昭和26年に施行されましたが、それによりブラックマーケットに流れたのは事実です。暴力団の資金源になったのはこの法律のおかげと言ってもいいのでは?

「麻薬と人間」には当時の政界と司法、ギャングとの関係がリアルに書かれています。

そしてアメリカの薬物依存症と人種差別の関係も書かれています。そして何より、依存症対策として行われているハームリダクションのこと、その最先端でアプローチしている医師の主張や、薬物依存症対策において今何が必要なのかが書かれています。

 

モモちゃも薬物使用歴は10年以上ありましたが、この本を読んで薬物に対しての向き合い方が少し変わりました。この本は「ドラッグコート」同様、依存症者の人にもそうでない人にも読んでほしい本です。

この本は、「依存症アディクションの対義語はクリーンではなくコネクションである」で締めくくられています。人間のつながりが大事ということ。

 

沢木耕太郎さんのノンフィクション「人の砂漠」の中にあった牧師の言葉を思い出します。

「見たことのない神なんか信じなくていい、イエスなんてただの人間さ。神を信じる暇があったら、人間を信じろ。だって目の前にいるじゃないか」。

※ヨハンハリさんはTEDで依存症についてトークもしています。YouTubeでも見れるから検索してみてね。